加古川西の園田、夢だった「日本一の三塁コーチ」 次も支える役目に

岩本修弥
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(27日、高校野球兵庫大会準決勝 神戸国際大付2-1加古川西)

 同点で迎えた九回表1死三塁。加古川西の背番号12番・園田遥人選手(3年)は伝令として、この試合3回目のマウンドへ走った。

 こわばった表情のエース、太田恭介選手(同)のもとに駆け寄り、「信じてるで」と一言。そのかいあってか相手のスクイズを球威でねじ伏せ、併殺に。ベンチから一番に飛び出し、笑顔で出迎えた。

 32年ぶりの準決勝進出。全試合で三塁コーチを担当し、コーチスボックスから誰よりも大きな声援を送る。伝令も任されて仲間を鼓舞し、快進撃を支えてきた。

 「兵庫県で一番の三塁コーチになる」という夢ができたのは、1年生の秋ごろ。吉本純也監督に指名された。「チームの雰囲気を変えられる選手。彼しかいないと思った」と言う。

 初めはスタメンで試合に出たい気持ちもあったが、「チームの最前線で仲間を支えられる」という三塁コーチの仕事に魅了され、思い入れが強くなった。チームが勝ち上がるにつれ、「兵庫県で一番」から「日本一」へと夢が変わった。 チームは延長十二回裏、一打同点の好機をつくった。「まず同点、同点」。園田選手は三塁コーチスボックスから叫び続けたが、右腕をぐるぐる回す展開は来なかった。試合終了後、涙を流す仲間の肩をそっと抱いた。

 日本一の三塁コーチ、という目標はかなわなかったが、新しい夢がある。

 「高校の先生になって、野球部の監督をしたい。今度こそ甲子園にいきたい」。また誰かを支える人になりたいと考えている。(岩本修弥)