韓国軍のベトナム人虐殺 映画監督が自国に「不都合な歴史」伝える訳

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聞き手・桜井泉
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 韓国はかつてベトナム戦争に軍隊を派遣し、米国とともに南ベトナム政府を支援しました。その過程で韓国軍は、中部ダナン近郊などで非武装の住民を虐殺し、約9千人が犠牲になったとされます。現地で被害者の証言を取材し、この問題を追及する韓国の市民社会と反発する元軍人らを描いたドキュメンタリー映画「記憶の戦争」のイギル・ボラ監督(32)に、戦争がもたらした痛みについて聞きました。

リレーおぴにおん「痛みはどこから」

 ――韓国は1964年から73年にかけてベトナム戦争に参戦し、のべ約32万人を派兵しました。当時は朴正熙(パクチョンヒ)大統領の軍事独裁政権下で、同じ分断国家として共産主義と戦うという名目で、同盟国の米国とともに南ベトナム政府を支援しました。それから約半世紀。なぜ、ベトナム戦争をテーマにした映画をつくろうと思ったのですか。

 「90年生まれの私にとってベトナム戦争は、教科書に出てくる遠い昔の話です。学校では、戦争特需が経済成長をもたらした、とだけ習いました」

 「しかし、10代後半になって個人的に勉強を教えてくれていた先生が、韓国軍によるベトナム人虐殺事件を告発する運動をしていて、関心を持ちました。『日本人は韓国を植民地化したが、韓国人は他国を侵略したことはない、いい国民だ』と習ってきたのでショックでした。でも、よく考えてみると、100%正しい人間、100%悪い人間なんているわけありません」

 ――おじいさんがベトナム戦争に行ったそうですね。

 「祖父は何も話しませんでし…

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