第12回「封印した記憶」を語る理由 性被害を告発した俳優・睡蓮みどりさん

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聞き手・細見卓司、佐藤美鈴
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 性暴力やハラスメントをなくそうという「#MeToo」の声が文化芸術界で広がっています。俳優で文筆家の睡蓮みどりさん(34)は、実名で性被害の告発に踏み切った一人です。ずっと負の記憶をしまいこみ、誰にも相談できなかった睡蓮さんが、どうして声をあげようと思ったのか。被害を語った後に受けた二次被害の実態についても打ち明け、「おかしいことはおかしいと言える社会に本当に変わって欲しい」と求めます。

すいれん・みどり

1987年生まれ、神奈川県出身。早稲田大在学中にグラビアモデルとしてデビュー後、映画を中心に俳優として活動。主な出演作に「断食芸人」「新宿タイガー」「東京の恋人」など。文筆家としても活動し、映画批評などを執筆している。

 ――なぜ、実名での告発に踏み切ったのですか

 「俳優でアクティビストの石川優実さんが今年2月に性被害を訴えたブログを読みました。過去に映画出演が決まった際、男性監督から性行為を求められたと記していました。その監督は、内容から私が被害を受けた人物と同じだと察しました。そして3月に文春オンラインがこの監督から過去に性行為を強要されたという複数の告発を報じたとき、『映画について書く身としては、これは無視できない』と思いました。また『今後も様々な映画について語るのであれば、自身の経験に触れないわけにはいかない』と思ったんです。映画時評を執筆している『図書新聞』(4月2日号)で、同じ監督による性加害を告発しました」

 「2015年に知人を通して監督と知り合った際、『オーディションがあれば呼んでください』と伝えたところ、『役を用意するから』と言われました。その年の秋ごろ、『台本を渡すから』と監督の事務所に呼ばれました。当時、フリーランスで活動していたため、マネジャーはおらず、事務所で監督と2人だけになったんです。役柄は台本に書かれていなかったのですが、『ヌードシーンがあるから』と服を脱ぐよう指示され、被害に遭いました」

 《※男性監督は朝日新聞の取材に対し、代理人を通じて、一連の告発について『報道にあるような性的関係を強要したような事実はありません』とした上で『今回のような騒ぎになったことに関しては、深くお詫(わ)びいたします』とコメントしました。また、睡蓮さんが告発した内容についても代理人を通じて複数回、事実関係を尋ねましたが、記事の配信までに回答はありませんでした》

支配し、支配される構図 「居場所なくなる怖さ」

 ――声をあげるまでに、どういう思いがあったのですか

 「私は、この被害に遭う前か…

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