兄に背負われた3歳の少年、77年越しの告白 「この写真は私です」

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福冨旅史
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 瀬戸内海を望む広島県呉市の家。寝室に朝日が差し込んだ午前5時半ごろ、竹本秀雄さん(80)はいつもより早く目が覚めた。

 隣には、ベッドで毎日手をつないで寝る妻の万喜江(まきえ)さん(70)。普段と変わらない朝なのに、心はざわついていた。

 たんすからお気に入りの薄紫色のポロシャツを出す。洗面所の鏡に向き合い、襟を立ててみた。

 「よし、行こう」

 ずっと言えなかったあの日の記憶を初めて人前で打ち明ける。

 7月10日午前10時。広島県東広島市生涯学習センターのロビーには、約80人が集まっていた。

 その前に座った竹本さんの手元に、1枚の色あせた写真が入った額が立てられた。

 頭から左ほおにかけて包帯を巻いた3歳の子が、兄に背負われている。

 涙で声を震わせながら、竹本さんは語り始めた。

 「この写真の、包帯で覆われとるのは私です」

 1945年8月6日。3歳だ…

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