アーティスト5人、3軒の空き家で公開創作 空き家でアート

平山亜理
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 甲府市内の空き家を、アートでよみがえらせるイベントが来月にかけて、同市の愛宕山周辺で開かれている。空き家率が全国一とされる山梨県で、県内外のアーティストや地域の寺を巻き込んで、空き家を地域のにぎわいや交流を生み出す場にするための取り組みだ。

 イベントは、「Akiya de Art」(空き家でアート)。愛宕山にある3棟の空き家を利活用し、シェアハウスやイベントスペースにしているプロジェクト「結(ゆい)」が主催する。

 会場は、愛宕山中腹にある民家や石材店、旧観光ぶどう園売店の3カ所の空き家だ。「持続可能性」と「愛宕山」を二つの柱に、5人のアーティストがそれぞれの場所からインスピレーションを受けたものを作品にする。

 アーティストの1人、コビトフカミさん(43)は、都内で介護の仕事をしながら、4月から「結」のシェアハウスも借り、2拠点で活動する。祖父母や両親が山梨出身だ。普段はオーダーを受けて動物などの油絵を描くことが多いという。

 制作現場となる空き家からは、甲府盆地や富士山などが見渡せるため、竜が空に昇っていく絵を描く予定だ。シーツや半紙、物干しざおなども使いたいという。コビトフカミさんは「地域の人を巻き込みエネルギーにしていくのが面白い。あるものを利用して皆さんと一緒に共同創造をしたい」と話す。

 北杜市育ちの大方岳(おおかたがく)さん(24)は、石材店の倉庫で、創作活動をする。線路に面したガラス窓に絵を描き、室内には実物の石などを置く。他には、山梨大学の学生横山剣士郎さん、芸術家を支援する団体「AIRY」代表の坂本泉さん、渡辺リサさんが参加する。

 8月5日まで、制作する様子も見学できる。また、制作途中のアーティストや作品を、小学生たちに写真におさめてもらい、「寺子屋プロジェクト」の一環として、近くの能成寺(のうじょうじ)に展示する。

 8月6日、7日には、「結フェス」を開き、空き家の屋上でピアノコンサートも行う。ピアノの伴奏を聞きながら、プラネタリウムの解説者が、夏の星空の説明をする「スターツアー」もある。

 山梨県は、総務省が5年ごとに実施する「住宅・土地統計調査」の最新調査(2018年)で、空き屋率が全国一(21・3%)となり、各地で対策が進んでいる。「結」の代表大原勝一さん(57)は、「空き家を宝物にし、次世代の新しい豊かな暮らし方を探し、地域おこしを図りたい」と話している。問い合わせは大原さん(090・3319・5831)へ。平山亜理