テクノロジーと手作業の両面を駆使した服づくりで世界から脚光を浴び、ファッション界のトップが集うパリ・コレクションで新作の服を発表し続ける「アンリアレイジ」のデザイナー森永邦彦さん。その原点は、高校時代に通った予備校で学んだ、あるロジックだという。学生時代には「何の役に立つのだろう」と思っていた勉強が、「いまではデザイナーと経営者、二つの仕事で原点になっています」と語る。色の変わる服の開発、パリ・コレ進出時のエピソードなどを交えて思いを聞いた。
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大学受験に備えて国立(くにたち)高校在学中に通っていた代々木ゼミナールで、カリスマ英語講師の西谷昇二先生と出会いました。先生の授業は独特で、授業の合間の、受験とは関係のない雑談が毎回楽しみでした。そこで先生の元教え子で現役早稲田大生だった神田恵介さんという方が既に自分のブランドを持って、服を作っているという話を聞きました。服も見せてもらったのですが、洋服には1着ずつコンセプトとタイトルがつけられていたのです。「そういう表現方法もあるんだ!」と驚き、ファッションに興味を持ちました。そして「自分も早大を目指そう」と思ったのです。
記事の中盤から後半では、アンリアレイジの服づくりの具体的なプロセスや、「超難関」とされるパリ・コレクションの公式ランウェースケジュールに認められるためのプレゼンの場で起きた「奇跡」などについて聞きました。
もちろん、役に立ったのは雑…
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