日本文理・田中、緊迫の投手戦演じた巧投 奮起した仲間がサヨナラ打

八鍬耕造
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(28日、高校野球新潟大会決勝 日本文理2―1帝京長岡)

 全国的にも注目される好右腕、日本文理・田中晴也と帝京長岡・茨木秀俊の息詰まる投手戦は1―1で延長十一回にまで及んだ。裏の日本文理の攻撃で2死一、三塁、右中間にサヨナラ打を放った玉木聖大はいった。「ベストコンディションではない中、田中が好投していたので早く休ませたかった」

 田中は24日の準々決勝で144球を投げ、26日の準決勝は149球。150キロを記録した準決勝で右手人さし指のマメをつぶし、再度の中1日の登板。速球に本来の勢いはなく、しかも打線の援護もなかなか得られない。その中で、田中と主将の捕手竹野聖智が選んだのは、準決勝まであまり使っていなかったという110キロ台の遅いスライダーだ。

 「前半に遅いスライダーを多投していたことで、後半はストレートに振り遅れてくれた。仲間を信じて打たせて取りました」

 1点もやれない重圧が続く中で、11回、151球を投げて1失点(自責点0)。三振は9個にとどまったが被安打はわずか3本で切り抜けた。

 2年生だった昨夏の甲子園は初戦で敦賀気比(福井)に敗れ、悔しい思いを味わった。

 「甲子園は聖地だというけれど、自分にとっては負けた場所でしかない。勝たないと聖地とは呼べない」。仲間とともに全国制覇をめざす、と力強くいいきった。(八鍬耕造)

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