愛工大名電・藤山、「脱力」打法で勝ち越しHR 一番怖い9番打者へ

高橋俊成
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(28日、高校野球愛知大会 愛工大名電7-4愛知啓成)

 八回表、無死一、三塁の好機で愛工大名電・藤山航平選手(3年)に打席が回ってきた。同点に追いつかれた直後で自然と力が入る場面、打席の途中でベンチに呼ばれた。思い切りいくのではなく、コンパクトに――。倉野光生監督からの助言を聞き、力を抜いて直球を振り抜くと勝ち越し本塁打に。「今までで一番の当たりでした」。跳びはねるようにホームインし、チームに笑顔が広がった。

 昨夏の甲子園にも捕手として出場したが初戦で敗退。スイング力の不足が大きな課題と感じ、冬場は特に打撃練習に力を入れた。手応えを感じていた矢先の今年4月、右足の甲を骨折。6月まで実戦から遠ざかったが、復帰後は「みんなの倍はやらないと」と心に決め、猛練習で打撃の感覚を取り戻した。

 9番での出場ながら、この本塁打を含む2安打を放ち、「いちばん怖い9番打者になりたい」と意気込む。捕手としても3投手をリード。「投手が一人にならないように」と積極的に声をかけ、打たせて取る配球で勝利をたぐり寄せた。「2年生の時は何もできなかった。何としても甲子園に行き、できる限りプレーしたい」。再びの聖地まで、残すはあと1勝だ。(高橋俊成)