第6回インフレ、汚職…揺らぐ改革開放 竹下訪中、にじむ中国の危機感

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編集委員・藤田直央、里見稔
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 1988年8月下旬に訪中した首相・竹下登に対し、70年代末から中国経済改革開放を推し進めてきた最高実力者・鄧小平が、「経済改革は難関突破の段階」とあらわにした危機感の正体。それはインフレだった。

連載「日中国交正常化50年 外交記録は語る」(全13回)

日中国交正常化から9月29日で50周年を迎える。この間、さまざまな政治家や官僚らの往来があり、日中関係には紆余曲折があった。1970年代末から90年代初めにかけてを外交記録から読み解く(敬称略)。

 8月26日夕、中国政治の中枢・中南海。竹下は鄧に続く趙との会談で、「改革開放の困難に立ち向かう姿に感銘を覚えている。わが国が可能な限り協力するのは当然で、アジア全体の経済発展にも役立つ。ご苦労話を伺えれば」と水を向けた。

 趙は語った。

 「少なからぬ困難、新しい問題にぶつかっている。経済発展が早すぎて、この2年間インフレが発生している。これを有力な措置で抑えねばならない。経済体制改革の深化には安定した環境が必要だ。断固たる決意に基づき、慎重に臨まねばならない」

歴史問題しのぐインフレ 日本大使館も指摘

 そして、同じ社会主義圏の東…

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連載日中国交正常化50年 外交記録は語る(全13回)

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