福岡伸一さん×新津ちせさん 新ドリトル先生物語刊行で読書愛語る

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興野優平
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 生物学者の福岡伸一さんがつづった児童文学『新ドリトル先生物語 ドリトル先生ガラパゴスを救う』(朝日新聞出版)が刊行された。昨年度の本紙の連載を単行本にまとめた。「読者代表応援団」として、帯にコメントを寄せた俳優の新津ちせさんと福岡さんが語り合った。

にいつ・ちせ 東京都出身。「〈NHK〉2020応援ソングプロジェクト」で「パプリカ」を歌う「Foorin」メンバーとして活躍。NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」にも出演した。主演映画「凪の島」が8月19日に公開予定。

ふくおか・しんいち 東京都出身。青山学院大教授、米ロックフェラー大客員教授。生物学者。『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』で知られる。他に、ガラパゴス諸島を訪れて書いた『生命海流 GALAPAGOS』、『ゆく川の流れは、動的平衡』など。

 名作「ドリトル先生物語」シリーズは、動物の言葉がわかる博物学者のドリトル先生と助手のトミー・スタビンズくん、動物たちが繰り広げる冒険物語。約100年前に英国出身のヒュー・ロフティングが書いた。子どものころからシリーズの大ファンだった福岡さんは、登場人物や世界観はそのままに、ガラパゴス諸島の自然を保護するために冒険に出るオリジナルの物語を紡いだ。

 福岡さんはかねて、ドリトル先生の「公平さ」に注目していた。動物たちへの態度はもちろん、助手のスタビンズくんに対しても大人に接するように丁寧で、対等だ。「スタビンズくんは、ドリトル先生に出会って初めて、自分を子ども扱いせず、怒ったり命令したりしない大人を知り、とてもうれしくなる」と福岡さん。

 小学6年生の新津さんは、冒…

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