第9回「50年脱炭素へ」目標掲げるGFANZ 参加の金融機関が語る役割
聞き手・小出大貴
2050年までに投融資先の企業を含めた炭素排出量を「実質ゼロ」にする――。こんな目標を掲げる世界の金融機関が昨年4月、共通のルールづくりなどをすすめる「GFANZ(ジーファンズ)」という団体をつくった。すでに45カ国、450の金融機関が参加し、日本からも22の大手金融機関が加わる。脱炭素に向け金融機関はどんな役割を果たすべきなのか。GFANZの意思決定会議のメンバーに日本から唯一選ばれた第一生命の稲垣精二社長に聞いた。
――GFANZは何のための組織なのでしょうか。
「金融を通じた脱炭素の実現に向けては、投融資先の企業に脱炭素の取り組みを進めてもらうよう働きかける必要があります。金融機関は無数にあり、それぞれの基準で動かれても投融資先の企業は困るし、まとまってメッセージを出した方が影響力は強まる。こうした『金融連合』をつくり、企業や国の政策を後押ししようとしています」
50年の脱炭素化へ宣言 「100兆ドル投じる」
――50年脱炭素への具体的な道のりはまだ見えていません。
「その通りです。GFANZ…