1本の無線、捜査1課幹部は息をのんだ 奈良県警のいちばん長い日

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河野光汰、渡辺七海、浅田朋範
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 奈良県警の本部庁舎は、鹿で知られる奈良公園奈良市)のそばにある。7月8日、金曜日の昼前。2階の捜査1課の大部屋は捜査員も出払い、ゆったりした空気が流れていた。

 午前11時32分ごろ、無線が流れた。「発砲事案発生の模様」

 「現場は大和(やまと)西大寺(さいだいじ)駅前」「選挙の演説中」

 無線は騒がしくなった。何人かが動き出した時、無線はさらに告げた。

 「銃撃を受けたのは安倍晋三元総理とみられる」

 同課幹部の1人は息をのんだ。要人の来訪は、警備を担当する警備部にとっては重要事項だが、同じ県警内でも殺人などを担当する捜査1課で把握している人は少ない。この幹部は、安倍氏来県を知らなかった。

 間もなく、部屋のテレビが安倍氏銃撃を伝える速報を流し始めた。「何かの間違いじゃないか」。現実の出来事とは受け止められなかった。

奈良市の近鉄大和西大寺駅北側の路上で7月8日午前11時32分ごろ、参院選の街頭演説中だった安倍晋三元首相(67)が銃で撃たれて死亡しました。人員の点で大規模とは言えない奈良県警が、この前代未聞の事件の捜査にあたることになりました。

 県警本部から西に約5キロの…

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