心がビッグな静清の主将、最後まで仲間を励ます 夢はボートレーサー

中村純
[PR]

(29日、高校野球静岡大会決勝 日大三島8―1静清)

 甲子園の夢が絶たれ、うなだれる静清ナイン。静止したベンチの中で背番号9は動き続けた。仲間の肩にそっと手をやり、励ますために。馬場愛士(かなと)主将(3年)の姿だった。

 157センチとチーム一の小兵。だが、その存在感は選手のだれもがビッグと認める。「あいつがいたからここまで来られた」。神奈川県の中学校時代からの野球仲間、伊東洸佑選手(同)は感謝を口にする。

 昨夏の大会が終わった後、自ら挙手して新チームのキャプテンになった。目標の全国大会出場へ何かが欠けていると感じ取っていたからだ。就任後まもなく練習方法をめぐり選手間の意見が衝突。春の大会のころには、チームはバラバラの状態だったという。

 しかし、夏の大会を前に腹を割って話し合った。出た結論は「勝ちたい」だった。一体感を取り戻したチームは快進撃を続けた。夢は果たせなかったが、「苦しい時もみんなが下でなく前を向いていた。それがうれしかった」。

 後輩にチームワークという結晶を残し、卒業後はボートレーサーをめざす。「自分の体形が有利になるから」と笑った。(中村純)