相手が離席、一力は聞いた「芝野さんは…」 囲碁界の一番熱い日ルポ

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大出公二、北野新太、尾崎希海
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 全36局の囲碁名人戦リーグの最終ラウンドは、毎回最後の4局が一斉に打たれる。棋士は名人挑戦をかけて、あるいはリーグ残留をかけて、同時並行の競合棋士の局勢など知る由もなく、己の碁に精魂を傾ける。終局後、すべてを知ってよぎる思いは。7月21日、「囲碁界の一番熱い日」を追った。

 最終4局は東京と名古屋に分かれて打たれた。

東京・日本棋院東京本院

一力遼棋聖(5勝2敗)VS.許家元十段(3勝4敗)▽山下敬吾九段(4勝3敗)VS.余正麒八段(3勝4敗)

名古屋・日本棋院中部総本部

 芝野虎丸九段(6勝1敗)VS.羽根直樹九段(3勝4敗)▽志田達哉八段(4勝3敗)VS.伊田篤史八段(26日付で九段、2勝5敗)

 優勝を争うのは首位芝野と星一つ差の2位一力。芝野が勝てば優勝、負けて一力が勝てば同星で並び、日を改めて挑戦者決定プレーオフを行う。

 残留争いは陥落3枠のうち、伊田と一足先に打ち上げた本木克弥八段(2勝6敗)がすでに2枠を埋め、残るは1枠。芝野に対する羽根、一力に対する許、いずれも負ければ枠にはまる恐れがあった。

 余と志田も、残留か陥落か、命運が定まっていなかった。今期新加入で序列最下位の余は、負ければ他の対局の結果に関係なく陥落が確定する。同じく新加入の志田も、勝ち越しているものの、負ければ余との残留プレーオフに引きずり出される可能性があった。

 他の対局は己の力でどうすることもできない。まずは目の前の一局に勝つしかない。

 午前10時 持ち時間各5時間の戦いが一斉にスタート。

 午後1時30分の昼食休憩…

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