女性の仕事は「炊き出しくらい」? 防災からみえるジェンダー格差

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大坪実佳子
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 全国の自治体の6割で、女性の防災担当職員がゼロという結果を内閣府が公表しました。

 防災におけるジェンダー平等を実現するには?

 課題と現状を、静岡大の池田恵子教授(55)に聞きました。

 ――結果をどう見ますか。

 職員数が少ない小規模な自治体もありますから、数値だけでは測れない部分もあります。それでも、思ったより女性職員がゼロの自治体が多かったと感じました。

 防災担当部署は、災害が発生すると休日や夜間にも急な対応を求められます。女性の配置が少ないのは、現状、育児や介護を主に担っている女性職員には無理だと考えられていることが一因でしょう。

 ただ、男性職員でも育児や介護をしている人はいます。男女問わず、家庭の事情などで夜勤ができない人には、代わりに別の仕事をしてもらうなど負担のバランスをとればいいのではないでしょうか。

 防災や被災者支援に女性の視点が抜け落ちないようにするためには、男女共同参画の部署との連携も重要です。

 行政だけでは補えない部分は、市民団体と連携する方法もあります。女性の立場から、防災カルタや、子どもがいる家庭専用の非常用持ち出しグッズなどを作っている市民団体も増えていますが、そのような団体を知っているのは男女共同参画の部署のことが多い。普段、あまり関わりがない部署同士をつなげることも大事です。

 子ども関連や福祉など一般的に女性職員が多い部署もありますから、いろんな部署から1人ずつ集まって横断的にチームをつくるのも有効です。防災担当の部署ではわからない、災害時のニーズを知っている可能性があります。

 ――地域における防災の現状はどうでしょうか。

 防災の研修を受ける女性は増えています。ただ、地域の防災組織で力を発揮できていないのが大きな問題です。

 地域の防災組織の母体となっている町内会自治会の役職には、退職した世代の男性が多い。実際の活動は女性が下支えしていても、大事な物事を決める場には入ることができていないケースもあります。

 「防災の会合に出たい」と言うと断られたり、会合に出席して「トイレは一つではなく男女別にしてほしい」と提案すると「オブザーバーは黙ってて下さい」と言われたりした例もあります。

 この世代の男性は、悪気はな…

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