「100%有機農業」めざしたスリランカ 農家は苦境に陥った

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コロンボ=西村宏治
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 経済危機に見舞われているスリランカで昨年、有機農業が大きな議論になりました。政府が4月に化学肥料や殺虫剤、除草剤といった農薬の輸入禁止を打ち出し、実際に半年にわたって輸入を止めたたからです。

 「世界初の100%有機農業の国にする」。ラジャパクサ大統領(当時)の野心的な目標の裏には、外貨不足に悩む政府が、肥料などの輸入を制限することで、外貨の流出を防ぐ狙いがあったとみられています。

 輸入も抑えられるし、環境対策にもなる。それだけ聞けば一石二鳥とも思える政策でしたが、収穫量が落ち込んだことで農家の大反対に遭い、撤回を迫られました。

 撤回から半年以上。混乱に巻き込まれた農家の人々は、化学肥料の禁止と有機農業をどう捉えているのか。最大の都市コロンボ近郊の農家を訪ねて聞いてみました。

 「葉が黄色いでしょう。窒素肥料が足りていないんです。でも、分かっていてもどうしようもないんですよ」

 コロンボから南東に30キロほど離れた農村地区。自身の田んぼを案内してくれたP.A.サナスさん(50)が、黄色がかったイネの葉を見ながら言った。

 政府が化学肥料や農薬の禁止…

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