12流域市町村の意見書公表、河川整備計画案について

長妻昭明
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 球磨川水系の治水対策を定めた国の「河川整備計画案」をめぐり、熊本県は29日、国土交通省に提出した蒲島郁夫知事と流域12市町村長の意見書を公表した。流域市町村長から計画変更を求める意見は出なかったが、計画の中核となる流水型ダムへ賛同を示したのは4市町村にとどまった。

 意見書は整備計画策定前の最後の手続きで、県が28日に国交省に提出した。知事意見は「本県の方向性と一致していることから、異存ありません」と賛同を示し、球磨川支流の川辺川に整備する流水型ダムの早期完成や環境への配慮を求めた。

 球磨川上流の人吉市と下流の八代市は、地元住民への丁寧な説明を求めた上で流水型ダムを含む整備事業の早期実施を求めた。ダム建設への支持を意見書に明記したのは、錦町と山江村を含めた4市町村だった。

 ダム建設地の相良村と一部が水没する五木村は流水型ダムへの賛否を示さず、地域振興などの要望にとどめた。4町村は「特段の意見なし」だった。

 流域市町村長の意見を踏まえ、県の担当者は「国と連携してできるだけ早く整備計画を策定したい」と話している。

 河川整備計画に関する住民説明会を開くよう、国と県に要望してきた市民団体「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」の木本雅己さん(71)は、「流域市町村で開かれた公聴会では多くの反対が出ていたのに、県と市町村はその意見を無視して計画を容認した。住民説明会を開き、しっかりと住民の同意を得た上で進めなければ分断が起きる」と話した。(長妻昭明)

流域12市町村の主な意見

【芦北町、多良木町、湯前町、球磨村】特段意見なし

【八代市、人吉市、錦町、山江村】流水型ダムの早期着工を要望

水上村】異議なし

【あさぎり町】堆積(たいせき)土砂の撤去、河床掘削を要望

【相良村】河道掘削や遊水地、堤防などの整備の早期実施や地域振興策の推進を国と県、地域が一体となって実施することや、住民への丁寧な説明を継続して実施することを要望

【五木村】半世紀以上にわたり、ダム問題に翻弄(ほんろう)され人口は減少。国はこれまでの歴史と責任を踏まえ、振興に最大限取り組むこと。事業着手までに環境アセスメントを踏まえた対応を検討し、村民が安心して暮らせる環境確保に努めることを要望