表情豊か 50年の高松塚 奈文研飛鳥資料館で写真コン作品展

清水謙司
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 奈良文化財研究所飛鳥資料館(奈良県明日香村)で、高松塚古墳(同村、特別史跡)をテーマにした写真コンテストの作品展が開かれている。国宝の極彩色壁画が発見されて50年をむかえた唯一無二の文化遺産への、撮影者の様々な思い入れが立ち上る。

 高松塚古墳(7世紀末~8世紀初め)では1972年3月21日、発掘調査で石室内部に「飛鳥美人」などの色鮮やかな壁画があるのが見つかった。小さな村の小さな円墳の名前はとどろき、いまも歴史・考古学ファンあこがれの場所だ。

 コンテストでは、そんな古墳を中心とした風景や、そこに集う人々などを撮影した76点の作品が寄せられた。最優秀賞にあたる「正一位」に選ばれた「冬枯れ」(大淀町・北好雄さん)は、冬季特有の枯れた木々や暗い空とともに墳丘がたたずむ。古墳は72年の発掘調査開始当時は、静寂と寒さに包まれていたという。そんな情景も想像させる。

 墳丘の作品が目立つなか、古代史・考古学ブームを巻き起こした壁画への思いが伝わるショットも。50年前、珍しいカラーで壁画の鮮やかさを伝えた新聞を自然光で撮影したという作品には、「我家の国宝です」というキャプションがつく。

 その壁画は2004年、カビなどによる劣化が判明。石室ごと解体して墳丘から取り出す措置が取られた。石室解体に伴う発掘調査の現地見学会をうつした貴重な記録も目をひく。飛鳥資料館の浜村美緒さんは、作品を通じて、「壁画発見から現在まで、注目されている古墳であることを実感します」と話した。

 9月11日まで。原則月曜休館。来館者の投票による賞も設けていて、8月21日まで投票を受け付けている。一般350円、大学生200円。高校生・18歳未満、70歳以上は無料。(清水謙司)