8校合同チームが奏でる「東京組曲」

川口敦子
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 「文化部のインターハイ」と呼ばれる第46回全国高校総合文化祭(とうきょう総文2022)が31日、東京都内で開幕する。23部門あり、都内からも全部門に約170校の1800人ほどが参加。日頃の活動の成果を披露し、都内外の高校生たちと交流する。

 せみ時雨の中、カウントが始まる。「ワン、ツー、スリー、フォー」。ロック調に三味線が鳴り、追いかけるように琴、しの笛、胡弓(こきゅう)が続く。本番目前の25日、日本音楽部門の都合同チームの生徒らが西東京市内のホールで音を合わせていた。

 公私立8校の1~3年計34人で今年3月に結成し、リモートを含め練習を重ねてきた。日本音楽部門で生徒実行委員長も務める白鷗高校2年の大橋香流(かなれ)さん(16)が所属するのは長唄三味線部。「四つの和楽器が合わさると楽曲に深みが出てすごい」と魅力を語る。

 演奏曲は「東京組曲」。ネイチャー、シティー、トワイライト、フェスティバルの4楽章で構成し、古典的な曲調と、現代的なアップテンポな音楽が交互に表れるのが特徴だ。

 作曲した福嶋頼秀さんによると、デモ音源を元に、東京のイメージを生徒に語ってもらい、一緒に曲を作った。都会の騒がしさ、豊かな自然、色んな国の人が生活している――。福嶋さんの想像以上に意見が出た。

 新型コロナの流行前、生徒たちは地元の祭りや老人福祉施設で演奏してきた。だが、感染拡大で軒並み中止となり、観客を前に披露するのは久しぶりという。大橋さんは「同じ楽器を楽しんでいる生徒が全国から東京に集まると思うと感動する。早く会いたい」。

 日本音楽部門に参加する生徒は31日、8月1日に江戸川区総合文化センターで演奏する。観覧の事前申し込みは終了し、録画が配信される予定。(川口敦子)

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