救援登板、打撃でも気を吐く 国士舘・小笠原君「楽しい試合でした」
(29日、高校野球西東京大会準決勝 東海大菅生4―3国士舘)
五回表1死一、二塁、国士舘の小笠原天汰(3年)が救援のマウンドに立った。連打で1点を勝ち越され、続く打者を四球で歩かせた直後だ。先発の唐沢竣(しゅん)(同)が「ごめん……」と肩を落とし、渡すボールを受け取った。「大丈夫、まかせろ」。続く打者2人をいずれも内野フライに打ち取り、後続を断ち切った。
六回以降、最速145キロの速球にカットボール、フォーク、カーブなどの多彩な変化球でテンポ良く投げ、5三振を奪った。
打撃でも気を吐いた。
その裏の攻撃。先頭の小笠原は真ん中に甘く入ってきた直球をコンパクトに振り抜いて左前安打。七回も内角よりの直球を中前へはじき返した。
しかし、3―3で迎えた延長十回表。連続四球と犠打で1死二、三塁とされ、中前安打で失った1点が決勝点となった。
箕野豪(みののたけし)監督は「投球には力があった。球も走っていて良かった」とたたえる。小笠原は「唐沢がいい流れを作ってくれてそれを壊さないように投げようと思ったが、最終的に壊れてしまったのは自分の責任」と下を向いたが、「チームでここまで勝ち進めて、ベンチの雰囲気もよかった。ほんとに楽しい試合でした」。=神宮(武田遼)
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