大阪桐蔭打線に真っ向勝負 上宮の山田投手、局面変わった五回
(29日、高校野球大阪大会準決勝 大阪桐蔭8―0上宮)
「どこに投げても、いい球がいっても打たれた」
大阪桐蔭打線に真っ向勝負を挑んだ上宮の山田遼門(りょうと)君(3年)は試合後、こう振り返った。
二回に1点を先制されたものの、四回まで強力打線を相手に被安打3、1失点で持ちこたえていた。狙っていたのはロースコアの展開に持ち込むこと。チームは今大会、2試合連続で延長サヨナラ勝ちを収めるなど、1点差で競り勝つ粘り強い戦いをみせていた。
しかし、五回に局面が大きく変わった。
四球で先頭打者に出塁を許すと、1死から2、3、4番に3連打を浴びて2点を失う。2死とした後も2連打を浴び、この回4失点。「何かがおかしくなってしまって……」
この日の試合は春の府予選準決勝と同じ顔合わせ。そのときは大阪桐蔭に0―5で敗れた。ただ、あれから球速も上がり、ストレートで押し切れる自信はあった。「僕も成長したと思うんですけど、向こうの方が全然違うレベルで成長していた」。それでも捕手の浜口尚真主将(3年)とは、「逃げずに攻めていくぞ」と励まし合ったという。
野球は小学4年生から始め、ずっと捕手だった。高校に入り、指導者の勧めで投手に転向。投手としても成長でき、上宮に入ってよかったという。「僕もまだまだ。これからもっと体を仕上げて、頑張っていきたい」と顔を上げた。(稲垣大志郎)