笛吹市の遊休地、3万本のひまわり大輪 ウクライナの平和を願い

平山亜理
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 ウクライナでの戦争の終結を願い、山梨県笛吹市内の遊休地に、この春、3万本のひまわりが植えられた。上空からは「ウクライナ LOVE」の文字が浮かび上がった。県内に住むウクライナ人女性は、「ひまわりは国のシンボル。心強いメッセージだ」と感謝の気持ちを表した。

 7月上旬、4千平方メートルの土地に、約3万本のひまわりが咲いた。11種類の花だ。「ウクライナ応援ひまわり 山梨より愛をこめて」と書かれた大きな看板が建てられ、ドローンから撮った写真もある。

 ロシアによるウクライナ侵攻があった2月、女性による奉仕団体「国際ソロプチミスト甲府」(SI甲府)の会長だった田辺文子さん(74)は、夫とひまわりを植えることを思いついた。理解のある企業3社にひまわりの種を寄付してもらい、残りはSI甲府の会費で種を買った。

 4月10日、種をまいた。近所の人や老人クラブの人たちなど約50人が参加した。田辺さんは、「花が咲く頃には戦争が終わっているといいねと祈っていた」と話す。

 近所の人が毎日水やりをし、草取りもしてくれた。ひまわりは順調に育ち、7月上旬に黄色い花が咲き誇った。地上からでは文字が見えないため、ドローンで撮影してくれた写真を看板に載せた。地元のテレビなどで報道されると、県内外から多くの人が訪れた。

 山梨大職員で、山梨市に暮らすウクライナ人のフォミチョヴァ・クセニヤさん(40)は、「本当にありがたいこと」と話す。

 クセニアさんは、ウクライナ第2の都市ハルキウに両親や親戚、同級生たちが今も残る。ロシアが侵攻してから「夜が始まり、ずっと闇にいる気分だ」と話す。ハルキウへの攻撃が激しさを増し、友人から、「今日は町の中心に、ミサイルが8本着弾した」などとメッセージが届く。

 SNSで頻繁に連絡するが、朝に話をしても、昼には生きているか分からない不安の中にいる。他国に避難するにも移動するお金や手段がなく、地元にとどまる人も多い。クセニアさんの高齢の両親も、心臓の病などを抱え、避難が厳しいという。

 クセニアさんは、SI甲府から寄付されたお金を、ウクライナのボランティアに送った。他にも、ウクライナの友人にお金を送り、友人は避難した。その直後に友人の家はロシア軍の装甲車両に破壊された。「送ったお金で命が助かった」

 「ウクライナ&PEACE」。来年夏には、またひまわりが咲き、この文字が浮かび上がる。その時には、戦争が終わっていますように。花を守り育てるみんなの願いだ。平山亜理