「歴史の方向変えた」 グテーレス国連事務総長がゴルバチョフ氏追悼
ニューヨーク=藤原学思
ソ連共産党の書記長だったミハイル・ゴルバチョフ氏が亡くなったことを受け、国連のグテーレス事務総長は「歴史の方向性を変えた唯一無二の政治家」「冷戦の平和な終結に、誰よりも貢献した人物」と呼び、追悼する声明を発表した。
声明は、ゴルバチョフ氏が1990年にノーベル平和賞を受賞し、演説で述べた「平和とは、類似性の調和ではなく、多様性の調和である」との一文を引用した。「この重要な洞察を、交渉や改革、透明性や軍縮の道を追求することで実践に移した」と評した。
グテーレス氏は、ゴルバチョフ氏が93年に国際環境保護団体を設立したことも紹介した。「晩年は持続可能な未来を創造することにも挑んだ」と賛辞を送り、「世界は非凡なグローバルリーダー、献身的な多国間主義者、精力的な平和の擁護者を失った」と悼んだ。(ニューヨーク=藤原学思)