「率直で忠実な人」 佐藤優氏がゴルバチョフ氏と2人で話したこと
聞き手・長野佑介
旧ソ連最後の最高指導者で、東西冷戦を終結に導いたミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領が30日、亡くなった。元外交官の佐藤優さんは2人きりで話したことがあるといい、「率直で歴史に忠実な人だった」と振り返る。ゴルバチョフ氏の功績、人柄について聞いた。
――ゴルバチョフ氏をどう見ていましたか。
非常にユニーク。旧ソ連の閉鎖的な体制のなかで育ったが、社会を変えないといけないと本気で考えていた人だと思います。自由・民主主義・平等、これを普遍的な価値だと考えていて、ペレストロイカを進めて、この価値観をソ連社会に根付かせようとしていました。
しかし、民族紛争や中途半端な経済改革の結果、旧ソ連社会は内側から瓦解(がかい)してしまった面はあると思います。ロシア国内では評判はいまもよくない。混乱の1990年代、国家を弱体化させたと。
――佐藤さんの見方は違いますか。
はっきりと違いますね。さま…