ハワイから日本のキリシタンの足跡たずねる旅 ワシントンで展示へ
編集委員・大鹿靖明
ハワイのスティーブ・ソンブレロさん(61)は8月、長崎に来た。米ワシントンの聖書博物館が2024年に日本のキリシタン史を展示する計画で、博物館の学芸員らの案内役を買って出て長崎や平戸、島原を回った。滑らかな日本語で「日本のキリシタンの歴史は心に突き刺さる物語です。世界中が知る価値があります」と語る。訪れた大浦天主堂や日本二十六聖人記念館で祈りを捧げた。
ソンブレロさんの生い立ちはユニークだ。父は日本軍と戦ったフィリピン人で、戦後、嘉手納基地で働いた。そこで出会った沖縄出身の母との間に生まれ、13歳まで沖縄で育った。
米国の大学に在学中、たまたま旅行に来た孝子さん(66)と出会い、結婚。彼女は当時、子ども向け戦隊もの番組の隊員役をし、「大江戸捜査網」にも出演する俳優だった。「卒業したら結婚させて下さい」と義父を説得した。1男1女をもうけ、グアムで起こした輸入商社や旅行業など事業も大当たりだった。
順風満帆の人生が暗転したの…