第5回そっと骨つぼに納めた写真 タブーだった兄と70年後の「再会」

有料記事核といのちを考える

岡田真実
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 長崎の半島の町で暮らす谷崎昭治(しょうじ)さん(13)は、いつもにこにこしている。

 昭治さんと追いかけっこをしたくて、妹たちは昭治さんをよくからかった。

 それでも、幼い妹たちの相手を嫌がらない。冗談っぽく笑って、追いかけっこにつきあってあげる。

 そんな昭治さんは、自宅から遠い長崎市の中学に行きたがった。下宿が必要で、お金がかかる。

 父には言い出すことができず、「お父ちゃんに頼んで」と泣きながら母に頼んだ。

 4月、希望していた中学校に、長崎市内の下宿から通い始めた。

 8月6日。

 広島に「新型爆弾」が落ちた。

 「長崎も危ないのでは」。心配した父は8日、昭治さんを連れ戻しに、下宿を訪れた。

 「明日の英語の試験は、どうしても受けなくちゃいけないから」

 連れ帰ろうとする父を、昭治さんは泣いて断った。試験が終わったらすぐ帰れるように、と船賃を渡し、父は家に帰った。

 9日、妹2人は、家の近くの砂浜で遊んでいた。

 突然、強い光を感じた。兄がいる長崎の方向が光った気がした。怖くなってすぐに家に帰った。

 「新型爆弾が長崎に落ちたら…

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