山小屋だって変わらなきゃ 南アルプス・光岳小屋 新主人の挑戦

有料記事

斎藤健一郎
写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
[PR]

 南アルプス連峰の最南端、長野・静岡県境の光岳にいま、注目が集まっています。「ひかりだけ」と書いて「てかりだけ」。日本百名山の中でも地味なこの山の、頂上直下にある光岳小屋の主人が40年ぶりに変わって女性になり、エコプロジェクトなど、次の時代の山小屋を見据えた新たな試みをスタートさせています。現地からルポします。斎藤健一郎

 「絶望のテカリ」と、この山が冗談交じりに言われてきたのもわかる気がする。長野県最南端の「秘境の里」と言われる遠山郷の民宿をスタートしたのが午前3時半。そこから深い谷に刻まれた林道に車で分け入り、標高900メートル弱の易老渡(いろうど)の登山口に着いたのは午前5時。すぐに容赦ない急登がはじまり、展望のきかない深い森で休憩する間もヒルの襲来におびえ、雨に打たれながら登ること10時間、標高を登山口から1600メートル上げて、ようやく静岡県営光岳小屋に着いた。

 「雨の中で大変でしたね。本当におつかれさまでした」。小屋の主人、小宮山花さん(34)が、ふもとの静岡県川根本町名産のお茶と茶菓子をすぐに出してくれた。疲れ切った心と体に、笑顔とあたたかいお茶がしみる。

 光岳小屋の管理を40年間務めた先代が引退、新たな管理人募集に小宮山さんが手を挙げたとき、山の世界では「あの花さんが!?」と話題になった。これまで数々の山小屋で働いてきた彼女の明るいもてなしと一生懸命な仕事ぶりに、ファンは多い。アウトドア雑誌にもたびたび登場し、原稿を書いたり、山雑誌で表紙を飾ったりもしてきた。それが日本百名山とはいいながら、アクセスが遠く、木にさえぎられて山頂からの展望もきかない地味な存在の光岳でなぜ?

 小宮山さんは言う。「勢いで…

この記事は有料記事です。残り2260文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
【10/18まで】有料記事読み放題のスタンダードコースが今なら2カ月間無料!