ペロシ氏の訪台めぐる議論は「時代遅れ」 米専門家の懸念
米国のナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問した。中国政府はペロシ氏が台湾を訪問すれば「強力な対抗措置を取る」と警告しており、米中の緊張関係が高まることが予想される。この情勢をどうみるか。トランプ政権で国防次官補代理を務め、中国を「戦略的競合相手」と位置づけた防衛戦略をまとめたエルブリッジ・コルビー氏に聞いた。
――ペロシ氏の台湾訪問が注目されています。台湾をめぐる米中関係、東アジアの安全保障の観点からどのように考えますか。
台湾をめぐる中国との状況はますます深刻化しています。過去数十年間、台湾をめぐる軍事バランスを軽視してきたことが問題で、米国が台湾の防衛に乗り出しても、中国が武力で台湾を占領する可能性のある脆弱(ぜいじゃく)な時期に差し掛かっていると思います。ですから、台湾をめぐる軍事的なバランスを回復させることに集中する必要があります。台湾をめぐる戦争を回避し、中国を説得する最善の方法は、中国が(台湾の占領は)成功しないと思うようにすることです。私が常に指摘しているのは、毛沢東は習近平と同じかそれ以上に台湾を奪いたかったが、失敗するとわかっていたので、決して挑戦しなかったということです。私たちはそれを望んでいるのです。
ペロシ議長の台湾訪問に関し…
- 【視点】
重要なインタビューです。コルビー氏は中国の脅威に専念すべきとの強い立場を採るアメリカの国防関係者ですが、彼をしても、ペロシ訪台は象徴的な行為であってそれ以上ではない、ということです。 ペロシ訪台については、私のインタビューも昨夕に朝日