第5回目を疑った日本の「普通」 世界知る名将が定義する指導者と親の態度

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聞き手・構成 遠田寛生
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 ラグビー日本代表を強豪に押し上げた世界的な名将、エディ・ジョーンズさん(62)=現イングランド代表監督=は、かつて母国オーストラリア高校教師をしていました。日本の各年代の指導現場にも精通し、折に触れて問題点を指摘してきました。

 どうすれば、子どもたちはポジティブにスポーツと接し続けることができるのか。コーチの役割、親の役割、勝敗との向き合い方は?

 エディさんに聞きました。

     ◇

 日本は夏休みだ。子どもたちにとって、様々なスポーツを試す時期となってほしい。

 自分が成長できそうなものが見つかれば、なおいい。

 私が小学生の頃は庭で壁に向かってラグビーボールを投げる練習をしつつ、公園でクリケットをしてよく遊んだ。育ったオーストラリアはビーチが多いので、よく泳いでもいた。

 15歳くらいまでは多くの競技を体験するべきだと思う。幅広い経験が得られ、様々な技術、チームとして動くことも学べる。

 スポーツへの参加自体が大事なのであって、どの競技を選ぶかは関係ない。だから様々な競技を楽しめる機会を提供し、楽しさそのものを教えるべきだろう。

 オーストラリアでは夏と冬で競技を替える子どもが多い。スポーツを推進する学校では、一人に4競技をやらせてもいる。

 それは健全だし、結果にも表れている。人口2500万人ほどの国だが、五輪や団体競技の国際大会での活躍は目覚ましい。

 競技を一つに絞るのは、骨格が固まってくる14、15歳くらいでいい。6歳からスポーツを始めた場合、8年ほどの経験を経て、どの競技が自分に合っているのかという判断もしやすい。

 日本では最近、行きすぎた勝利至上主義の弊害について議論されていると聞く。小学生の全国大会廃止についても。

 ラグビーの経験しかないので日本のスポーツ界全般への意見はできないが、日本の問題は大会形式ではなく、指導法にあると思う。

 それが指導者個人の問題である場合も多い。日本では、若い年代の選手に求めすぎる印象がある。タフさや規律、一生懸命さを必要以上に。

 1990年代、日本の大学ラグビーで信じられない光景に出あった。

 ハーフタイム。コーチが選手…

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    平尾剛
    (スポーツ教育学者・元ラグビー日本代表)
    2022年8月26日17時56分 投稿
    【解説】

    若年層におけるスポーツが健全であるために、指導者の資質を問い、保護者の役割を示した良記事だと思います。10代半ばまでは複数のスポーツを経験した方がよいとも、エディ・ジョーンズ氏は提言しています。 記事にある氏の指摘は、これまでにも目に

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    小暮哲夫
    (朝日新聞GLOBE副編集長=アジア)
    2022年8月19日16時37分 投稿
    【視点】

    エディさんが語る、指導者や保護者たちのイメージは、オーストラリアでの経験がベースにあると思いますが、これは、スポーツ界に限ったことではないなと思いました。 私が以前に駐在していたシドニーで、子どもたちが通っていた公立中学校であった先生