酪農家の長男は高校球児 夏の大会で掲げた二つの目標、その結果は…
高校野球南・北北海道大会が閉幕し、大多数の球児の夏は終わった。その中には野球以外の活動を両立させる生徒たちがいる。「二刀流」を続ける理由を聞いてみると、野球の魅力が見えてくる。
6月28日、北北海道大会釧根地区大会の開幕戦。標茶・霧多布の連合チームは中標津に1―15で6回コールド負けした。最後までグラウンドに立った霧多布の片島羽矢人さん(3年)の最後の夏が終わった。
霧多布がある浜中町は北海道東部に位置し、東隣の根室市の先には北方領土が広がる。町の主要産業は漁業と酪農だ。片島さんは酪農農家の長男。六十数頭の乳牛を両親と三つ上の姉とで面倒をみている。毎朝5時前に牛舎に行き、掃除や餌やり。午前7時半すぎに通学バスで学校へ。学校が終われば午後8時ごろまで搾乳などをするのが日課だ。
野球を始めたのは中学2年…