第17回ペロシ氏を歓迎、中国の反発にも冷静 松田康博・東大教授が見た台湾

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聞き手・牧野愛博
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 米国のペロシ下院議長が2日、台湾を訪問しました。中国は激しく反発し、偶発的な衝突を懸念する声も出ていますが、7月から台湾を訪れている東大東洋文化研究所の松田康博教授は「中国の動きは国内を意識したもので、現時点では抑制的だ」と指摘します。

訪台を批判するメディアは極めて少数

 ――ペロシ氏の訪台を受けた現地の雰囲気を教えてください。

 新聞は全紙、1面トップで、ペロシ氏の訪問や中国による対抗措置を伝えています。自由時報など与党・民進党系のメディアは「中国の恫喝(どうかつ)を恐れずに、台湾に到着した」などと、ペロシ氏を歓迎する論調が目立ちます。

 これに対し、聯合報など野党・国民党系のメディアは、中国の軍事演習など危機を強調する傾向があるようです。中国共産党に近いとされる中国時報は、台湾国防部が否定した「中国軍機が台湾と中国の中間線を越えた」という「偽情報」も紹介しました。危機をあおりたい中国側の意図をくんだ内容だと言えます。

 ただ、ペロシ氏の訪問自体を批判するメディアは極めて少数で、親中勢力が一部SNSを通じて批判する言説を拡散している程度です。今の台湾は、米国なしではやっていけないのが現実ですから。

95年の危機の方が「緊張」

 ――台湾の一般社会には今回の事態に緊張する雰囲気があるのですか。

 1995年に起きた台湾海峡…

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