「中絶の権利認めない」州憲法改正案、米カンザスの住民投票の結果は
米中西部カンザス州で2日、州憲法に「中絶の権利を保障しない」との文言を加える改正案の賛否を問う住民投票があった。6月に連邦最高裁が合衆国憲法で保障された権利と認めない判決を出して以降、同種の住民投票は初めて。AP通信の集計では反対が多数を占めており、米メディアは「中絶の権利の大きな勝利」と伝えている。
住民投票で問われたのは「女性と子どもの両方を大切にするので、憲法は中絶への政府資金の提供を求めず、中絶の権利をつくったり、保障したりしない」との文言を加える改正案。AP通信によると、開票率が約9割の時点で反対が6割、賛成が4割。賛成が多ければ、共和党が多数を占める議会が改正の手続きを進めるとみられていた。
6月には最高裁が、中絶を選ぶ憲法上の権利を認めていた1973年の「ロー対ウェード」の判例を変更し、「妊娠中絶を選択する権利は、憲法で保障されていない」と判断した。これを受け、保守的な州では中絶の規制が進んでいる。
米メディアによると、今後、カリフォルニア州やバーモント州、ケンタッキー州、モンタナ州でも有権者が中絶に関する投票をする機会がある。民主党は中絶の権利を今秋の中間選挙の争点の一つにしようとしていて、結果が影響を及ぼしそうだ。(ワシントン=合田禄)
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