第1回夏休みの宿題、バックレて得たもの あのダニ学者が語る自由研究論

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松本千聖
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 夏休みの自由研究、何をやりましたか? 今まさに悩んでいる子や、親御さんもいるのではないでしょうか。「宿題はほとんどやっていなかった」と振り返る生物学者の五箇公一さんは、課題として取り組む「自由研究」よりも、自らが好きなことをとことん追求する「自主研究」の大切さを語ります。

 国立環境研究所室長として生物多様性にまつわる施策に関わる五箇さんに、子どもたちに向けて、自然や生き物との関わり方についても語ってもらいました。

 ――小学生の頃の夏休みの宿題は「バックレていた」と以前コラムに書かれていました。

 ドリルに読書感想文に日記、自由研究と当時もたくさんありましたよ。でも最終日までほとんどやらずにいました。

 虫やヘビといった小動物が大好きで、毎日追いかけ回していましたから。まるで「パリピ」のように本能の赴くまま、生き物をいじる生活でした。富山県高岡市で育ち、周りは自然が豊かでした。

 ――生き物で自由研究をすることはなかったのですか?

 虫を飼って繁殖させたり魚の魚拓を取ったりしていましたが、自由研究の課題としてまともに提出したものはほとんどないかな。自主研究です。

好きなこと、課題になった途端に

 ――宿題としてやる「自由研究」ではなく、「自主研究」なんですね。

 自分で好きなことを調べるのが面白いのに、誰かに見せると、テーマがどうだとか評価されるようになるでしょ。先生に褒められようという発想もありませんでした。

 ――確かに、評価が目的になってしまうこともあるかもしれません。自主研究はどんなことをしていたのですか?

 小3の頃はカマキリにはまっていましたね。ハラビロカマキリ、コカマキリ、チョウセンカマキリ……色々捕まえてきて、ケースを10個くらい並べていました。

 あいつらは動くものしか食べないので、コオロギなんかを捕まえてエサにしていたのですが、ある日、チーズをカマキリの目の前で手で動かして見せたら、前脚のカマで食らいついてむしゃむしゃ食べたんです。どこまで食べるのかなと調べたら、ハムやうどんも食べました。「結構何でも食うじゃん」と衝撃でした。

 他にもカメやヘビを飼っていました。

「生きてるうちに好きなことを」 母の教え

 ――たくさんの昆虫にヘビまで。家族は何も言いませんでしたか?

 親は放置でしたね。ケムシが家の中で逃げた時と、シマヘビの子どもだと思って飼っていたのが実はマムシだった時はさすがに怒られましたが。

 自分が幼少の時に父親が亡く…

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    田渕紫織
    (ハグスタ編集長=子育て、社会保障)
    2022年9月2日8時8分 投稿
    【視点】

    夢中で虫を追いかけ回して、たまには子どもならではの残虐性も発揮してーーという記憶は、生き生きと残るものです。(私も小学生の時はそんな毎日で、これ以上の自由はないと思っていました。) しかし、子どもがそれをレポートにして提出しなければいけな

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    末冨芳
    (日本大学文理学部教授)
    2022年8月8日7時41分 投稿
    【視点】

    全国の小中学生、安心してください。自由研究をしなくても日記をめんどくさくて書かなくても研究者になれます。もちろん他の職業にもなれます。 私は中学生の時からなんとなく研究者を目指していましたが、小中学生ともに自由研究も読書感想文も日記も

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