生きづらくなったけど 日澤雄介が戦争演劇でむちゃをするわけ

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聞き手・井上秀樹
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 解散寸前から窮余の歴史劇で開眼し、いまや注目の劇団に。演出家の日澤雄介は、自身が主宰を務める劇団チョコレートケーキで、「日本の戦争演劇」の6本連続上演を手がける。あまりにも、無謀では? 胸中を尋ねた。

まだまだ馬鹿をやれるぞ

まだまだ馬鹿をやれるぞ

 ――6本を上演することになった経緯は。

 東京芸術劇場の関係者から、「無畏」と「帰還不能点」に新作を組み合わせて「日本の戦争責任のような枠組みで公演はできないか」っていうお話があったんです。ありがたいお話なので、3本と言わず、劇団の作品を連作することで、自分たちがいままでやってきたことや、いまどういう立ち位置にいるのかも明確になるし、お客さんにも複数本見てもらうことによって、新しい感覚を感じていただけるんじゃないかと。3本だったものが、2劇場の4本になって。

 コロナ禍が続く中で演劇をする場というか発表の場がない若い子たちの無料の長期ワークショップを今年1月から劇団で始めたんです。その子たちの発表の場をつくってあげたいっていう思いもあって。だったら短編2本を入れてやろうよ、っていう話が劇団で盛り上がってまとまって。

 いざ準備ってころに、ウクライナの侵攻が起こったんですね。それまでも日本も世界も変な空気になっていったなかで、我々もいわゆる日本の戦争を扱ったテーマの6連作をやる。そのことで、日本の起こしてきたことにもう一度目を向けて、起こったことを知っている我々がちゃんと検証して、それを使って今はどういう風にこの国と向き合っていくべきなのか、をもう一つ作りたい。大きい気持ちになりました。

 ――6本を一気に上演するのに、不安は。

 もちろんありましたね。スタッフさんと、じゃあどうしたらいいのか、というのは1年前から相談して。たとえば本番のタイムテーブルはこう切りますとか、稽古場は何カ所かお借りしましょうとか、いろんな算段は踏んでたので、物理的に無理だってことはないとは思ってました。できるだけじゃダメで、6本のクオリティーを担保する保証はなくて、そこはすげえ苦労するだろうなっていう意識はあったんですけども。

 コロナ禍でみんないろいろや…

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