【そもそも解説】日本の食料自給率なぜ低い? 公表7カ国・地域だけ

有料記事そもそも解説

初見翔
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 農林水産省は例年8月に、最新の食料自給率を発表します。1965年度に70%を超えていたカロリーベースの自給率は、20年度は37%で18年度と並んで過去最低でした。足元ではロシアによるウクライナ侵攻で食料危機への関心も高まっています。日本の自給率はどうして低いのか、このままで問題ないのでしょうか。

 農水省は現在、6種類の自給率を公表しています。

・品目別

・穀物(主食用)

・穀物(飼料を含む)

・飼料

・カロリーベース

・生産額ベース

 このうち、私たちが口にしている全ての食べ物に関する自給率は「総合自給率」と呼ばれ、カロリーベースと生産額ベースの2種類があります。

 同じ品目であれば重さで単純に計算できますが、総合自給率ではさまざまな食べ物を同じ土俵で比べるための「基準」が必要です。カロリーベースの自給率は私たちが生きるのに必要な栄養価に着目して「カロリー(熱量)」を、生産額ベースは農林水産業が生み出す経済的な価値に着目し「生産額」をそれぞれ基準にしています。

 下のグラフはカロリーベースと生産額ベース、それぞれの自給率の過去の推移を表しています。

写真・図版

 ともに比較可能な1965年度から減少傾向にありますが、生産額ベースのほうが一貫して自給率が高く、かつ減り方も緩やかです。

 これは野菜などカロリーが低くても値段の高い食べ物の自給率が比較的高いことや、小麦や油脂類などカロリーは高くても値段の安い食べ物の自給率が低いことが理由です。

 安いものは海外からの輸入を増やす一方、国内の農林水産業は高く売れるものに注力してきた結果で、価格や新鮮さなどの面で私たち消費者もその恩恵を受けているといえます。

 こうした観点から、自給率をめぐる議論ではカロリーベースより生産額ベースを重視すべきだという主張もあります。産業としての農林水産業を評価するならその通りですが、食料安全保障を「飢えさせない」ことだと考えると、カロリーベースに注目するほうが適切でしょう。

知っているようで実は知らない食料自給率。「100%に上げるために必要な理論上の水田面積は?」など、以下カロリーベースの自給率を前提に考えていきます。

 カロリーベースの自給率につ…

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