夫奪った病にまさか自分も 「命削っても」 球児の息子へ固めた覚悟

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有元愛美子
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 どろどろになったユニホームの土を水で流して、ブラシで何度も何度もこする。ある程度汚れが落ちたら1時間つけ置き。そこから、洗濯機を回す。気づくと午前0時を回っている。

 そんな日常の作業をいとおしく思いながら、橋本美帆さん(51)は、覚悟を決めていた。

 「私の命を削ってでも、最後の大会までは、泥んこのユニホームを洗ってあげたい。でっかい弁当を作ってあげたい」

 思えば、3人姉弟の橋本家の話題の中心にはいつも野球があった。小中高と野球に打ち込んできた長男の健太朗さん(22)、その兄に憧れて中学から野球を始めた次男の弘太朗さん(17)。夫の弘寿さんも大の野球好き。そんな日々が永遠に続くと思っていた。

 一変したのは3年前。弘寿さんが白血病で亡くなった。52歳だった。

 その1年後、家族はさらに絶望の淵に落とされる。

 美帆さん自身にも、白血病の診断が下された。弘太朗さんが高校に入学した直後のことだった。

 「夫の命を奪った病気に、まさか自分もかかるなんて」。目の前が真っ暗になった。

 重い口を開いて告げると、弘…

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