好左腕そろう甲子園 筆頭は大阪桐蔭・前田、直球も変化球も一級品

安藤嘉浩
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第104回全国高校野球選手権大会

 104回目の真夏の大舞台には、入学直後からコロナ禍に振り回されながらも、力を磨いてきた強打者、好投手が集う。5日、開会式のリハーサルを行い、6日に幕を開ける。注目の投手を紹介する。

 左投手に楽しみな素材がそろった。筆頭は大阪桐蔭の前田悠伍だ。2年生ながら、140キロ台後半の直球に加えてカットボール、スライダー、チェンジアップなどの変化球も一級品。低めへの制球力も抜群で、どの球種でも空振りがとれる。牽制(けんせい)球やバント守備などもうまい。

 夏前に投球バランスを崩したが、大阪大会で尻上がりに調子を上げた。150キロ右腕・別所孝亮、188センチ右腕・川原嗣貴の両3年生もいるため、余裕をもって投げられるというチーム事情も好投を後押しする。

 昨夏4強入りの立役者となった京都国際の森下瑠大も、直球の伸びと、スライダーなど多彩な変化球の切れでは負けていない。制球力もある。左ひじ痛の影響で出遅れた不安はあるが、選抜大会を新型コロナの影響で辞退しただけに「やっと自分たちの代で甲子園の舞台に立てる」と意欲を見せる。

 最速145キロの仙台育英・古川翼も、マウンドさばきがうまい好左腕。札幌大谷の森谷大誠は身長172センチながら馬力があり、最速148キロの直球は威力がある。横浜の2年生左腕・杉山遥希は、重い球質を武器に安定感は抜群。鳴門の冨田遼弥は選抜大会1回戦で大阪桐蔭を相手に3失点の力投を見せた。切れのいい変化球を低めに集める。

 その鳴門と1回戦で対戦する近江は、選抜大会準優勝右腕の山田陽翔が健在。最速149キロの直球と縦に鋭く落ちる変化球で狙って三振をとれる。他の投手がエースの負担をどれだけ軽減できるかが、夏の躍進への鍵になる。

 右投手では日本文理の田中晴也が、昨夏からスケールアップして甲子園に帰ってきた。身長186センチ、体重92キロと体が一回り大きくなり、新潟大会では球速150キロを計測した。九州ナンバーワンの呼び声が高い富島の日高暖己は、宮崎大会5試合をほぼ1人で投げてわずか3失点。三振を奪うだけでなく、打たせてとる投球もできる。興南の生盛(せいもり)亜勇太は腰の故障が治り、伸びのある直球は最速147キロを誇る。

 京都大会3本塁打の京都国際・森下や、近江の山田のように、打者としても活躍する「二刀流」も多い。日本文理の田中は左打ちの強打者。新潟大会では流し打つ満塁本塁打を放った。愛工大名電の有馬伽久は昨夏、外野手として甲子園を経験。愛知大会では5番打者として5割を超える打率を残した。敦賀気比の上加世田(うえかせだ)頼希、日大三島の松永陽登も、4番を任されるバットでも注目される。安藤嘉浩