第1回あなたのスマホにも8グラム内蔵 コバルトが抱える闇「いかさまだ」

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コルウェジ〈コンゴ民主共和国南東部〉=遠藤雄司
【動画】アフリカ中部コンゴ民主共和国(DRC)南東部にあるシャバラ鉱山。銅・コバルトを手掘りで採掘している=遠藤雄司撮影
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 奥行きも幅も数百メートル、最深85メートルの巨大なすり鉢状の大穴が、数千人の男たちでびっしりと埋め尽くされていた。あちこちに鉱石の入ったずだ袋が人の背丈ほどに積み上げられている。男たちと袋が密集し、岩肌や地面すら見えないほどだ。

 数千人の話し声と、無数の槌音(つちおと)が合わさり、会話をするのが難しくなるほどけたたましい。お祭り騒ぎの中に飛び込んだような活気と騒々しさがあった。

 アフリカ中部にあるコンゴ民主共和国で鉱山都市コルウェジ近郊にあるシャバラ鉱山を6月に訪れた。この地域はコッパーベルトと呼ばれ、コバルトや銅の鉱床が帯のように続いている。

スマートフォン電気自動車(EV)のバッテリーに使用されるコバルト。「便利さ」や「クリーンさ」が追い求められる中で、その需要は急速に増え続けています。あなたの手の中にあるスマホ1台に約8グラム含まれるとされるその金属は、いったいどこからやってくるのでしょうか。

 広大な露天掘りの採掘現場で働く男たちは、フランス語で「クレゼー(穴を掘る人)」と呼ばれる。鉄のハンマーを両手で重そうに振り上げ、岩盤に立てた鉄杭やノミに向けて思い切り振り下ろす。ハンマーと杭、杭と鉱石がぶつかる甲高い金属音が、キンッとこだました。

 砕かれた岩のかけらを見ると、翡翠(ひすい)色に輝く銅の原石が太陽光を淡く反射していた。この中にコバルトも含まれているという。

割に合わない低賃金、その理由を探ると

 「コバルトが何に使われてい…

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