第2回地下200mの悲劇、息絶えた13歳の弟 幼い労働者は今日も鉱山に

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コルウェジ〈コンゴ民主共和国南東部〉=遠藤雄司
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 弟ギラン・マソヤがコバルト鉱山で死んだのは、13歳と1カ月の時だった。あれから8年。弟はいまも地下200メートルの暗いトンネルの中に埋もれたままだ――。

 コンゴ民主共和国の南東部コルウェジ。鉱山の近くに暮らす教師フランク・マソヤさん(40)は、弟の話をする時だけ、穏やかさを失い、興奮気味に声を張り上げた。

 「弟がこんな死に方をした一方で、外国企業がコバルトで巨額の利益を得ている。私は強烈に怒っている」

 フランクさんはいまも、弟の遺体を取り戻し、弔う機会を待ち続けている。

スマートフォンや電気自動車(EV)のバッテリーに使用されるコバルト。「便利さ」や「クリーンさ」が追い求められる中で、その需要は急速に増え続けています。あなたの手の中にあるスマホ1台に約8グラム含まれるとされるその金属は、いったいどこからやってくるのでしょうか。

 フランクさんが弟の死を知らされたのは、2014年3月24日だった。ギランさんが事故にあってからすでに6日が過ぎていた。

 鉱山に行ったきり帰ってこない弟を心配し、フランクさんや父親らは、ギランさんの同僚や近くで働いている採掘者たちに行方を尋ね回っていた。

 だが、弟の事故を知る関係者は全員が口を閉ざしていた。ようやく同僚の一人が重い口を開いた時、すでに事故から6日が経過し、ギランさんは死んでいた。

「芳香剤をまくしかできなかった」

 ギランさんの身に何が起こったのか。採掘仲間から聞き出した証言に基づいて、フランクさんが語ってくれた。

 事故が起きた3月18日は、雨だった。

 コバルト鉱山の採掘労働者た…

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