第4回コバルトのためなら暮らしも壊す 無情の立ち退き要請、応じても地獄

有料記事

コルウェジ〈コンゴ民主共和国南東部〉=遠藤雄司
[PR]

 数十メートル先にあるコバルト鉱山の敷地から、ゴウンという雷のような爆発音が数回、とどろいた。

 6月15日午後1時33分。コンゴ民主共和国南東部の鉱山都市コルウェジで、自宅中庭のベンチに座っていた男性(62)は、音が響く空を静かに見上げた。

 その約30分前、この鉱山を運営する「コミュス」という中国系の会社が発したサイレンを聞き、男性は部屋から中庭へと避難していた。

 「爆発の時は危なすぎるので、家の外に出るようにしている。あの亀裂も爆発で出来たものだ」

 男性がそう言って指さしたリビングルームの壁には、床から天井まで幅数センチの亀裂が走っている。一部は完全に穴が開き、中庭が見通せる。すべて、鉱山会社が使う発破の衝撃によるものだという。

スマートフォンや電気自動車(EV)のバッテリーに使用されるコバルト。「便利さ」や「クリーンさ」が追い求められる中で、その需要は急速に増え続けています。あなたの手の中にあるスマホ1台に約8グラム含まれるとされるその金属は、いったいどこからやってくるのでしょうか。

 周辺の住宅もよく見れば、建物に亀裂やひびが走っているのが確認できる。被害は住宅のみにとどまらず、地域にある教会や学校も壁の一部が崩落し、教室部分が丸見えになっていた。

あまりに少ない補償金、デモ行うと発砲され…

 「ここにとどまることが危険なのは分かっている」。家族の安全のため、男性はすぐにでも引っ越しをしたいと考えている。だが、動けない事情が男性にはある。

 昨年10月ごろ、男性の自宅…

この記事は有料記事です。残り2130文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません。