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10歳で11回手術の「こうちゃん」 国の補償から漏れた母親の思い

有料会員記事こぼれ落ちる子どもたち

久永隆一
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 こうちゃんは、10歳。兵庫県に住む小学5年生。「おかあさん、だいすき」が口ぐせで、ミッキーマウスが大好きだ。

 でも、ディズニーランドには一度も行ったことがない。

 2歳からずっと入退院とリハビリを繰り返してきたから。7月末にも11回目の手術を受けた。

 名前は秋原幸汰くん。両親が「幸せ」を願って「幸」の字を入れた。

 だから、愛称はこうちゃん。

 切迫早産だった。2011年9月30日、帝王切開で28週と6日で生まれた。体重は1334グラム。

 母親の美香さん(37)が初めて見た、こうちゃんの顔は黒かった。

 生まれた時、酸欠状態だったからと、後で知らされた。

 酸素が十分にいかない脳はダメージを受けた。脳性まひになった、こうちゃんには軽度の知的障害があり、手足にまひが残る。

 手足を少しでも動かしやすいようにと、県外の病院に行って手術を受けている。

「じゃがりこ」を初めて食べた日

 最近、こうちゃんは美香さんにこんなことを聞く。

 「ぼく、どうして歩けないの…

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    山下剛
    (朝日新聞記者=医療的ケア児、選挙)
    2022年8月6日9時59分 投稿
    【解説】

    昨年末からこの問題を取材していて、「産科医療補償制度」って何だろうと思います。 出産で重い脳性まひになった子どもを補償する仕組みで、分娩機関(お産を扱う病院など)が出したお金=掛け金によって補償金がまかなわれています。 これを「

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    末冨芳
    (日本大学文理学部教授)
    2022年8月6日9時43分 投稿
    【解説】

    産科医補償制度には大きな欠陥があります。2009-2021年生まれの子どもたちはエビデンスのない個別審査により本来受けられるはずだった月10万円の支援が受けられません。 同程度の出産時の状況なのに、ある子は支援が受けられ、ある子は受けられ

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