1千年以上も前から歴史伝える 国産の「固形墨」、9割が奈良産

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松尾慈子
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数字は語る

 「今時、『スミを作っています』っていうと、皆さん備長炭を思い浮かべるんです。『習字に使うあの墨ですよ』から説明しないといけない」

 奈良製墨組合理事長で墨運堂(奈良市六条1丁目)の松井昭光社長(51)は苦笑する。「墨は1千年以上前から人類の歴史を伝えてきたんですが」

 国産の固形墨の約9割は奈良で作られる。15世紀ごろ、奈良・興福寺の灯明の油のススで作った墨が珍重されたのが起源だ。ススやニカワ、香料を混ぜた墨玉を練り合わせて木型に入れ、数カ月乾燥させて作るという昔からの製法を守って作る奈良墨は、国の伝統的工芸品に指定されている。

 「職人の手で練り合わせ、さらに乾燥に最低3カ月。国産だと1丁(墨の1単位=15グラム)500円前後からですが、それでも安いと思うほど手がかかります」

 少子化や書道人口の減少、液…

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