中国が日本大使を呼び出し、日本側は中止を要求 軍事演習めぐり応酬

北京=冨名腰隆
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 中国が台湾周辺で実施している軍事演習などに対して日米など主要7カ国(G7)の外相が3日に共同声明を発表したことを受けて、中国外務省の鄧励外務次官は4日午後、日本の垂秀夫駐中国大使を呼び出し抗議した。北京の日本大使館によると、垂氏は日本側の立場を申し入れたうえで、軍事演習を直ちに中止するよう強く求めたという。

 中国外務省によると、鄧氏は「日本はG7やEUと共に、理不尽な批判で中国の顔に泥を塗った。国際社会に誤ったシグナルを発している」と述べ、垂氏に断固たる反対と強い非難を伝えた。

 また、鄧氏は日本が台湾を統治した過去に触れ、「日本はかつて長期にわたり台湾を植民地化しており、逃れられない歴史的な罪を負っている。より慎重に行動すべきだ」などと求めたという。

 これに対し垂氏は、「中国による一連の軍事演習は、地域の平和と安定を損なうものだ」と反論したうえで、日本の排他的経済水域(EEZ)を含む日本近海に訓練区域が設定されている点について、「重大な懸念」を表明。EEZ内へのミサイル発射についても「受け入れられない」と抗議し、「日中関係の局面が大きく変化することになる」との認識を示したという。

 中国はペロシ氏が台湾に到着した2日夜に、米国のバーンズ大使を呼び出し抗議。4日には、G7に関係する欧州各国やEUの大使館員も呼び出し、厳正に抗議したという。(北京=冨名腰隆

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