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国際協力で作る「人体のグーグルマップ」 細胞ひとつひとつ分析

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野口憲太 後藤一也
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 37兆個ともされる膨大な数の細胞が集まって作られる、私たち人間の体。体内のどこで、どんな細胞が、どんな働きをしているのか――。そんな情報を網羅した「細胞の地図」を作る国際プロジェクトが進んでいる。

国際プロジェクトHCA 新たなステージへ

 プロジェクトの名前は「ヒューマン・セル・アトラス(HCA)」。直訳で「人間の細胞地図」だ。

 2016年に英ウェルカム・サンガー研究所や米ブロード研究所の研究者らが中心になって設立。世界中の研究者それぞれが予算や手法をもちよる。データベースに集められた、細胞ごとの情報は、原則、世界中の誰でも自由に無料で、利用できる。

 現在80カ国以上、1300超の研究機関、約2500人の研究者が参加している。日本の理化学研究所も中核機関のひとつだ。

 今年5月、米科学誌サイエンスに、それぞれ別の研究チームによるHCA関連の論文4本が掲載された。

 計68人から検体の提供を受けた。機械学習を使った細胞の識別システムを作るなどし、30以上の臓器で100万個以上の細胞の特徴を一つ一つ分析した。

 1人の人間を構成する細胞は、基本的にすべて同じ遺伝情報(ゲノム)を持つ。ただ、神経や皮膚、免疫など、一つ一つの細胞は、それぞれ異なる特徴や機能がある。働いている遺伝子が細胞ごとに異なるからだ。

 これまでの研究の多くは、肝臓や腎臓など、臓器ごとの細胞の情報を分析するものだった。しかし、健康な人と病気の人では何が違うのか、治療薬に細胞がどう反応するのかなどを詳細に知るには、細胞ごとの分析が重要になる。

細胞地図の「下書き版」 数年後にも

 今回の4本の論文では、複数…

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