「野球道具はやっぱり高い」 ひとり親家庭だった阪神・青柳の危機感

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吉村駿、仙道洸
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 グラブやバットなど道具の値段が年々高くなり、国民的なスポーツだった野球はだんだんハードルが高いスポーツになっている。野球をお金持ちだけができるスポーツにしないためには、どうしたらいいのだろうか。

 そんなとき、阪神タイガース青柳晃洋投手(28)のツイッターでのコメントが目に飛び込んできた。

 「野球をはじめるきっかけの少年野球チームや中学校の部活でも取り入れてほしい!貸出し制度!」

 その真意とはなんだろうか。母子家庭で育った自身の経験や、現在取り組んでいる活動についてインタビューで明かした。

 青柳晃洋(あおやぎ・こうよう) 1993年12月11日生まれ。横浜市出身。神奈川県立川崎工科高、帝京大を経て、2015年ドラフト5位で阪神タイガースから指名を受け、入団。21年には13勝を挙げて最多勝のタイトルを手にした。同年の東京オリンピックでは日本代表の一員として金メダルを獲得。

強豪私立ではなく公立高校出身

 ――「野球はお金がかかるスポーツだ」と感じたのはいつごろでしょうか。

 「自分は(帝京大学の)特待生だったのですが、大学に入る時、野球の道具を一式そろえるのに20万~30万円もかかることを知りました。もともと少しはわかっていましたが、『野球ってお金がかかるな』と改めて感じました」

 ――お金がかかると気付いてから、プレーや心境は変わりましたか。

 「特に変わってはいません。でも、高校3年間、親からもらった一つのグラブでプレーしました。そのグラブは大学1年まで使いました。お金がかかるからグラブを大事にするのではなく、親からもらったものだから大事にするという気持ちでした。今は市販のグラブでも4万~5万円ぐらいはするはず。そのグラブ一つが無ければ、野球はできない。高い(スポーツだ)なと思います」

少しでも負担を減らし、野球を好きになってもらうためにはどんなことをしたらいいのでしょうか。青柳投手の考えを聞きました。

 ――強豪の私立高ではなく、神奈川県立川崎工科高に進んだのは、金銭的事情もありましたか。

 「中学時代は三番手投手で…

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    中小路徹
    (朝日新聞編集委員=スポーツと社会)
    2022年8月16日13時38分 投稿
    【視点】

     スポーツはお金がかかる。用具や環境が必要なことを考えれば、ある程度はやむを得ないでしょう。でも、お金が少なく済むようにもできる。青柳投手の提言はとても大事だと思います。  近年、学校の教員の負担軽減もあって、中学校の部活動を学校外の指導