第5回週1で歌声届ける91歳ユーチューバー コロナ禍の休業で決めた挑戦

有料記事

島崎周
[PR]

 「今は本当の人生になった気がする」

 91歳。これまで、主体的に何かをやるということは、あまりなかったような気がする。でも、今は違う。

 望月廸子(みちこ)さん(91)が、グランドピアノの前でいすにつかまって、背筋を伸ばして立った。大きく息を吸う。視線の先にあるのは楽譜ではなく、手書きの歌詞だ。

 「ワン、ツー、スリー、フォー」。三男の直哉さん(59)のチェロ伴奏が始まると、体全体でテンポをとる。この日、歌っていたのは、8月11日の「山の日」に合わせて選んだ曲「山小舎の灯」だ。

 黄昏(たそがれ)の 灯は ほのかに点(とも)りて

 懐(ゆか)しき山小舎は 麓(ふもと)の小径(こみち)よ

 その歌声は、マイクなしで部屋中に響き渡る。「なんとか歌いきったね」と直哉さん。褒めたかと思いきや、「ブレスが遅い!」。廸子さんは「勘弁して下さい…」と苦笑い。

 3番まである曲で、すでにこの時3回通して歌っていた。「やっぱり3番までいくと力尽きるね」と少しぐったり。それでも直哉さんは「もう1回やろう!」。「もう1回頑張る」「なんとかこれで成功させたい」と、練習とは別に、1時間かけて録音。結局、5回通しで歌い切った。

 週に1回、ユーチューブで動画を配信。これまでの配信回数は120回を超えた。

望月さんの堂々たる歌声、そして収録の舞台裏を、動画でもお伝えします。

生活を一変させた戦争

 収録場所は東京都目黒区の音…

この記事は有料記事です。残り2233文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません。