「情報が少なすぎる」KDDI障害で焦った総務省 見えてきた教訓は

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杉山歩 中島嘉克
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 過去最大となるKDDIの通信障害が発生してから約16時間後。7月2日午後6時に始まったテレビ会議で、ある総務省幹部は画面上のKDDI社員に対しこう迫ったという。

 「台風でauを握りしめたまま亡くなっている人が見つかったら大問題になる。社を挙げてちゃんと対応してほしい」

 この日午前1時35分に発生した通信障害は全国に影響が広がるなか、KDDIがホームページで発信していたのは「現在、復旧作業に努めております」など限られた情報だけだった。何が起きているのか分からない利用者が販売店に押しかけていた。総務省は十分な情報を得られず、幹部らの危機感が高まっていた。

 別の総務省幹部は情報を得ようと何度もKDDI社員に電話をかけようとしたが、障害が起きているau回線の携帯にはつながりにくかったという。

 通信障害への対応は、事業者であるKDDIが全責任を持って当たることになっている。総務省が独自にできることは限られ、ある職員は「あまりこちらからうるさく言うと復旧作業に支障が出かねない」と漏らす。

 KDDIの大規模な通信障害は通信インフラの重要性を痛感させた。発生からの数日間に何が起きていたのか。将来に向けどう備えればよいのか、検証します。

 通信障害が起きた7月2日は…

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