【詳報】原爆ドーム前、川面に揺れる灯籠2500個 広島被爆77年

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広島総局・福冨旅史
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 6日、広島は被爆77年の「原爆の日」を迎えました。平和記念式典には地元選出の岸田文雄首相や国連のグテーレス事務総長が参列しました。ロシアによるウクライナ侵攻の中、広島に集まった人たちからは、核兵器のない世界の実現をめざす声が上がりました。取材した記者たちのコラムも掲載しています。

(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)

【連載】奪われた笑顔

家や学校でいつも通りに過ごしていた子どもたちが、原子爆弾に突然襲われました。遺族の記憶と、被爆前の写真のカラー化によってよみがえった無邪気な笑顔が、核兵器の非人道性を今に伝えてくれます。

■■■8月5日(日本時間)■■■

18:00

核禁条約めぐり与野党代表者が議論

 「原爆の日」を前に、核兵器の廃絶に向けた日本の役割を考える討論会が広島市内で開かれた。与野党の代表者8人が参加し、日本がオブザーバー参加を見送った核兵器禁止条約への関わり方などをめぐり、論戦が展開された。

 自民党は「現実的なアプローチとして核不拡散条約(NPT)をきちんと進めていくことが核廃絶に至る近道だ」と核兵器禁止条約のオブザーバー参加に否定的な考えを示したが、野党からは「これで橋渡し役が名乗れるのか」などの批判が相次いだ。

 連立与党公明党は「核禁条約の定める核による被害者支援、環境修復は日本が特に貢献できる分野だ」との見方を示し、来年の第2回締約国会議でのオブザーバー参加を政府に働きかける考えを明らかにした。

19:00

かがり火が染める元安川、幻想的な光に

 原爆ドーム前(広島市中区)の元安川で、原爆犠牲者らを鎮魂し、平和を祈るかがり火がともされた。被爆から77年となる「原爆の日」の前夜、原爆ドーム周辺は幻想的な光に包まれた。

 催しは、有志でつくる「100年後の広島を創ろう委員会」が主催し、今年で8回目。平和記念公園内で燃え続ける「平和の灯(ともしび)」から採った火を、5台のいかだの上に設置された24基のかがり火台に点火した。炎は川面をオレンジ色に染めた。

■■■8月6日(日本時間)■■■

01:15(ニューヨーク12:15)

国連本部で原爆展はじまる

 核不拡散条約(NPT)の再検討会議が開かれている米ニューヨークの国連本部で、広島、長崎の原爆被害について伝えるパネル展が始まった。日本原水爆被害者団体協議会日本被団協)の木戸季市(すえいち)事務局長は開会セレモニーで自らの被爆体験を語り、「人間が人間らしく生き、人間らしく亡くなることを求めます」とあいさつした。

 国連本部におけるこの展示は4回目。原爆投下直後の空や被爆者からのメッセージ、現在の核兵器の保有状況などを示す約50枚のパネルが、入り口すぐのロビーに飾られている。

 セレモニーには田上富久長崎市長や、NPT再検討会議でのスラウビネン議長(アルゼンチン)も出席。スラウビネン氏は木戸さんの話に心を動かされた様子で「(NPT再検討会議の)交渉の場に生かしたい」と話した。

04:00

「孫たちには怖い思いさせたくない」78歳女性 

 夜明け前の原爆死没者慰霊碑の前。広島市中区の宮前智恵子さん(78)はそっと手を合わせた。胎内被爆した夫の穂(みのる)さんが昨年11月に76歳で亡くなり、原爆死没者名簿に記された。この日は不思議と早くに目が覚めたという。「両親と一緒になって喜んでいると思う」

 自身も爆心地から約4キロで…

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