拳下ろさぬ中国、批判続ける米 中ロ外相退室、国際社会の亀裂鮮明に

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プノンペン=西村宏治、北京=冨名腰隆、ワシントン=清宮涼 稲田清英
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 東南アジア諸国連合(ASEAN)と日米中韓ロなどによる東アジアサミット(EAS)外相会議が5日、カンボジアで開かれた。ペロシ米下院議長の台湾訪問をきっかけに緊迫化する台湾情勢が話し合われ、ロシアのウクライナ侵攻で国際社会に入った亀裂の広がりが鮮明になった。

 複数の参加国関係者によると、外相会議で林芳正外相が発言を始めた際、中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相とロシアのラブロフ外相が示し合わせたように退席した。前日、王氏は林氏との会談を拒否したばかりで、対話拒否の姿勢を貫いている。

 ペロシ氏が訪台した2日夜から台湾への軍事的威圧を始め、主要先進国(G7)や欧州から非難を受けた中国だが、逆に抗議に出ている。EAS出席者によると、会議で王氏は「台湾は中国の核心的利益である」と強調し、ペロシ氏の訪台を非難した。強気の背景には、国際的に孤立していないという状況がある。

 3日以降、王氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)との一連の会議に予定通り参加したほか、ギリシャ、カンボジア、ラオス、トルコ、ニュージーランド、タイ、スリランカベトナムシンガポールとの二国間会談もこなした。それぞれの場で、台湾問題を巡る中国の立場に理解を求めたとみられる。根拠は不明だが、王氏は「100カ国以上が中国の主権を侵害する行為への反対を表明している」とも語った。6日からはバングラデシュモンゴルも訪問する。

 軍事演習の引き金となったペロシ氏はすでに台湾を離れたが、中国は振り上げた拳を下ろそうとはしない。逆に中国外務省は5日、米中両軍の対話メカニズムの停止や刑事司法、麻薬取り締まり、気候変動の協力一時停止など、8項目の対抗措置を発表した。なぜこれほど強く出るのか。

「中台統一」へ習氏の壮大な戦略が見え隠れ

 中国が意識するのは、国内向けの「強さ」のアピールだ。重要政策を議論する「北戴河会議」が始まっているとみられ、習近平(シーチンピン)国家主席共産党指導部は秋の党大会が迫る中、弱い姿勢を見せられない局面だ。

 台湾周辺での軍事演習には…

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