「再審の決定、確信」 袴田さん差し戻し審、証人尋問終了

大平要
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 【静岡】強盗殺人事件で死刑判決が確定後に釈放された袴田巌さん(86)の裁判のやり直しを求める東京高裁での再審請求審で、法医学者ら5人の証人尋問が、5日までに終わった。裁判所、検察側、弁護側の3者協議に同席した袴田さんの姉の秀子さん(89)は、「決定が出るまで何とも言えないが結果は目に見えている。私は(再審開始決定を)確信しています」と話した。

 再審請求審では、証拠とされた「犯行時の着衣」についた血痕の赤みが争点になっている。弁護側は、みそに1年間漬かれば黒くなるはずだと主張。弁護側と検察側双方が、色の変化を確かめる実験を行った。

 7月22日と8月1日、5日の3日間で行われた証人尋問では、法医学や化学の専門家の立場から、血痕が変色するメカニズムや、変色速度についての意見を聴いた。これにより、実質的な審理は終了。11月上旬に実験結果を出す検察側に裁判官らが立ちあい、年内にも結審する見通しだ。

 申立人の秀子さんは3回の尋問に、浜松市の自宅から、東京高裁に出向いて協議に同席した。法医学者や化学の専門家ら、証人1人あたり60~90分ほどの尋問は、専門的な用語が飛び交った。秀子さんは「ともかく聞き漏らさないように、特に検察官の言葉は、一生懸命聞いていた」と言う。

 尋問後に弁護士らと都内で行った会見では、この日、巌さんが日課の散歩にいつもより早く出かけようとしたことを紹介。「そんなわけで、元気にしています」と報告した。(大平要)